すでに記念受検や何ちゃって受検(いやな言葉ですが…)で受かることが決してないことが
火を見るより明らかになった公立中高一貫校受検。
近年、京都では私立最難関校と併願、あるいは鞍替えにて受検する層も増えてきました。
着実な進路実績ゆえのことでしょう。
以前はオール3をとるような学校にひとりか、多くてふたりが合格するような、
そんな文字通り狭き門としてそびえ立っていた印象ですが、
近年は学校の成績をマストとする気運はめっきり縮小してきました。
あわせて評価基準の不透明感を助長していた適性検査(ようは入試問題)も経年とともに淘汰され、
ご存知の方は結構ですが、もしそうでない方はぜひ過去問をご覧ください(京都新聞にリンクされています)。
果たしてよく言われるように
『学校教科書が十分に理解できている』だけで解き進めることがかなうでしょうか。
風のウワサ(笑)で聞くような例として、
大手学習塾さんのいわゆる『公立中高一貫校対策』、
京都で言えば『(例えば)西京洛北対策講座』式のクラスから
いったいどれだけの合格者が出ているのか、甚だ疑問だというお話もあります。
ようはその学習塾さんの私立中学受験部門在籍の生徒さんの実績と混同している部分が多分にある、
という指摘です。
あながち的外れではないでしょうね。
バリバリの準備がもはや必須という認識は周知ではないかと思うところです。
そして教科書内容の理解を発展的に運用できる能力、あるいは高い潜在能力は理想としても、
実情のひとつとして
大量の語彙であったり知識、それらを使ったタフな経験、競争原理が
ある部分で前提になりつつあるのではないだろうかと思う次第です(え、当然?それは知らなかった)。
そんな(特に都市部の)公立中高一貫校。
京都ではまだ倍率6倍以上という驚異的な数字が出ています。
教育行政としては大成功の部類なんでしょうが、
公教育が常に抱える教育の機会均等とどのように対峙していくのかウォッチが必要です。
「公立中高一貫が第一志望」3割 ベネッセ、保護者調査 ***
『公立中高一貫校への受験人気が高まっている。子どもに中学受験をさせようとしている保護者の3人に1人が、公立中高一貫校を第一志望にしていることが、ベネッセ教育研究開発センターの首都圏保護者調査でわかった。世帯収入でみると、私学よりも幅広い層で希望していた。
この9月、東京都、埼玉、千葉、神奈川県の公立小学3~6年生の保護者5256人にインターネットで調査した。
公立中高一貫校は1999年度からつくられ、文部科学省によると、この4月現在、全国に184校ある。首都圏では2007年度に計14校だったのが、東京17校、埼玉2校、千葉2校、神奈川4校と計25校まで増えている。
子どもに中学受験をさせる予定の保護者は全体の18%。そのうち第一志望が私立なのは53%、公立中高一貫は34%、国立大付属は8%だった。私立と公立中高一貫をともに受験する層は21%だった。
6年生のみだと受験予定者は23%。第一志望が私立なのは59%、公立中高一貫は35%、国立大付属は5%。公立中高一貫は2007年の調査(21%)に比べ、14ポイント増えた。
受験者の世帯収入は私立だと800万円以上が7割を占めるのに対し、公立中高一貫は4割、600万円未満が私立1割に対し、公立中高一貫3割と、さまざまな層が公立中高一貫校を選んでいることもわかった。私学よりも学費が安いためとみられる。
受験する・しないの悩みが長期化していることも浮かび上がった。小学3年段階で「まだ決めていない」と答えたのは4割。6年で「まだ決めていない」と回答した人も1割弱いた。
「公立中高一貫校が増えるにつれ、より多くの家庭に選択の機会を提供しているのは評価すべきだ」とセンター。一方で、公立も含め多様な選択肢ができたこともあり、「
受験させるべきかどうかという悩みが小学校生活の半分の期間にわたって続いていることは課題だ」と見ている。』
※朝日新聞12/11付より転載しています。文字装飾は育星舎個別アルファ北野・衣笠による。URLは
http://www.asahi.com/national/update/1211/TKY201212110310.html?google_editors_picks=true ***
選択肢は増えたけれども、悩む期間が(比例して)長期化した。
という結局のところ『どうなの!?』って印象を喚起するテキストですが、
『何がどうなの!?』ってツッコミも自分でしてしまう感じです(笑)。
あまり言葉を重ねるようなものじゃありませんね。
数字を見返しますと、
中学受験者が全体の18%。
よって1000人中180人くらい。
で、そのうちの53%にあたる95人程度が私立受験。
34%にあたる61人程度が件の公立中高一貫校受検。
ちなみに併願希望者は21%で38人程度。
1000人という乱暴な私の換算ですが、
ベネッセによる首都圏での調査によると1000人中60人が公立中高一貫校受検希望者。
『少なっ』ですか?
私には何とも言えません。
京都に受験シーズン到来 西京高付属中で願書受け付け ***
『京都府内の公立高付属中で24日、2013年度入学試験の願書受け付けが始まり、中学・高校の受験シーズンが幕を開けた。
京都市中京区の市立西京高付属中では、午前9時の受け付け開始前から多くの保護者や受験する児童たちが集まった。受け付け会場では、願書に不備がないかどうかのチェックを受けた後、受検票を受け取った。
府内の公立校付属中全3校は、合格者の一部を決めていた抽選を13年度入試から廃止した。西京高付属中で一番に受検票を受け取った上京区の母親(47)は「子どもにも親にも分かりやすい制度になった」と抽選廃止を歓迎。受験する女子児童と一緒に訪れた南区の父親(58)は「抽選の前に適性検査はあったので、入試が大きく変わるという感じはしない」と話していた。
府立の洛北高付属中(左京区)、園部高付属中(南丹市)は、郵送で願書を受け付ける。私立中も、今月中旬から受け付けを始めている。公立高付属中、私立中の入試は来年1月19日から。』
※京都新聞12/24付より転載しています。文字装飾は育星舎個別アルファ北野・衣笠による。URLは
http://www.kyoto-np.co.jp/education/article/20121224000064 ***
当ブログでも一報をした通り、
今年度から適性検査における抽選が廃止されます。
普通、
抽選というシステムは受け入れがたいと思いますが(どうなんでしょう、私だけかしら?)、
これまで脈々と当然のごとく実施されてきました。
そのおかげ(?)で「抽選で落ちたから」というリアクションが浮かび上がり、
好意的に言えば慰め、意地悪な書き方をすれば言い訳の余地を発生たらしめた経緯があります。
この辺り微妙です。
それで救われた大多数の子どもたちもいるでしょうし、
それをヨスガに自分の努力を否定し、
それが中学進学後も尾を引いているケースがなくはありません(ようは、ある)。
ともあれ京都で出願が始まったとのこと。
受験・受検予備軍をお子さんにお持ちの皆さんはたくさんの情報をお手許にお持ちのことでしょう。
願わくばそれらを有益にお使いになり、
より相応しい、より頑張れる、より厳しい、より楽しい環境を目指して
これから取り組まれることを祈らずにはおれません。
それでは次回まで。
文責:京都市北野白梅町・衣笠わら天神の個別指導専門塾 育星舎『個別α北野・衣笠』塾長 池田真一
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