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デジタル教科書とeラーニングとの違い

久しぶりの『教育とテクノロジー』トピック。
過去何度も取り上げてきたイシューですが、
同僚が『iPad』を購入した今(遅い?)、
いよいよ足許を濡らすトピックになってきた感です(え、遅い?)


まずはここ最近の記事をリンクさせておきます。
おっ、対案!! 2010年9月10日付
激論は続く… 2010年8月20日付
激論!デジタル教科書 2010年8月17日付


物事の良い面だけを見たらいい、、とは
日本を代表する小説家の好む表現。
とはいえ
フットワークの重い我々(というか私)は
ネガティヴな感想をまず提出してしまう勢いです。


いかんいかん。これはイカンと思います。
テクノロジーを取り入れることで
教育が(飛躍的に)発展することに異を唱える向きは、
遅かれ早かれ機を逸する者となるのでしょうか。
フム。


「デジタル教科書」は、なぜ、もてはやされるのか


                                 ***

 『今年が「電子書籍元年」と呼ばれるのは、アマゾンのキンドル、アップルのアイパッドなどの端末の登場がきっかけとなったことは間違いない。これによりコンテンツの流通形態が「物流からネットワークへ」移行するだけでなく、読者の手元にある本が「紙から電子ディスプレイへ」と変化することになる。

 産業構造の変化だけでなく、図書館や学校などで本の果たしてきた文化的役割についても変化が予想される。

 端末への注目が高まるなかで、いささかの不安を伴って議論を巻き起こしている分野に教育への利用がある。

 「デジタル教科書」という言葉が持つ印象と影響は、単に教材や教科書をデジタル化して端末で読むことにとどまらない。子どもたちが、端末を持つことで重いランドセルから解放されるという明るい提案がある一方で、教室での授業風景が一変するかのような紹介がされている。このため、長年経験を積んだ教授スタイルを持つ教師の間でも不安や反発の声が上がっている。

 最近、デジタル教科書をテーマにした本が相次いで出版された。話題の火付け役であり、推進派を『デジタル教科書革命』(中村伊知哉・石戸奈々子共著)とすれば、『緊急提言! デジタル教育は日本を滅ぼす』(田原総一朗著)、『頭あたま脳の散歩 デジタル教科書はいらない』(田中眞紀子・外山滋比古共著)などはさしずめ批判派といえる。

 文字・活字文化推進機構などが9月3日に開催したシンポジウム「デジタル時代の教育を考える」で、この話題を取り上げて議論をした。デジタル教科書の積極的な利用・実践を評価するというよりも、冒頭の基調講演(藤原正彦お茶の水女子大学名誉教授)も、会場の雰囲気も「反デジタル教科書」集会という面持ちであった。パネルディスカッションでは、鈴木寛文部科学副大臣から、小学校の検定教科書は電子化しない、という言葉を引き出すなど、批判派が終始リードした感がある。

 なぜ、このような対立関係でとらえることになったのだろうか。伝統的な世界に新しい技術が持ち込まれた場合、技術への過大な期待と批判の応酬で成果の検証がままならなくなる。ワープロの普及で漢字を忘れるとか、ビデオゲームのやり過ぎで、現実と架空の区別がつかなくなるなどが、その例である。テレビやマンガの普及期にも同様の批判が起きた。

 さらに、理解しがたい事件や社会的に逸脱した現象が起こると、ゲーム、ネット、携帯電話などが取り沙汰される。人々は、原因を「新しい技術がもたらす問題」とすることで納得しようとする。つまり本質的な理解にたどり着く前に技術に責任転嫁する傾向があるのだ。どうやら、電子読書端末もその例外ではないようだ。

●eラーニングとどこが違うのか

 改めて書くまでもなく、ICT(情報通信技術)利用・活用の教育は今に始まったことではない。長年にわたる研究成果をもとに、「eラーニング」という呼称で広く一般に知られている。「デジタル教科書」という言葉が一人歩きしているが、この分野は、教育実践と研究、あるいは教育学と工学の学際領域にあり、まさにeラーニングが取り扱ってきた分野なのである。

 筆者は大学出版人として、教育教材の電子化に興味を持って関わってきており、その関係で多くのeラーニング関連書籍の刊行に関わってきた。eラーニングの効果は疑わないが、筆者の理解するところ、利用範囲は限定的である。企業教育のようにもともと学ぶ姿勢ができている社員に対しては有効である。次に大学などでのデジタル教材の提供が、これに準じるだろう。

 マサチューセッツ工科大学(MIT)が二千近い講座の大半をネットで公開したプロジェクトは、いまでは世界中の一流大学を巻き込んだ運動に発展した。これを「オープンコースウェア(OCW)」と呼びeラーニングと呼んでいないのは、デジタル教材を公開しただけでは、教育ではないからだという。

 このプロジェクトを率いた宮川繁MIT教授は、「多くの教科書が教育に影響を与えてきたように、OCWのウェブサイトを通して提供される情報もまた、学外の教授法や学習法の参考となることを切に期待している」(「IDE現代の高等教育」No.440)と書くのである。

 eラーニングは教育環境として有効であるが教師に代わるものではない。デジタル教科書(教材)の有効性も、さらに限定的で教科書すべてに置き換わるものではない。学ぶことの姿勢と意義から会得を始める初等教育では、さらに利用は限定されるだろう。

70年代に教育工学が注目されたが、当初期待されたような成果を上げることはなかった。理由として、大型コンピュータでは、学生一人一人にあわせた教育環境ができないからだといわれた。80年代に個別教育の実現をめざしてCAI(コンピュータ支援教育)ブームが起きる。パソコンの登場により、教育工学の欠点を補うと喧伝されたが、いまや忘れ去られている。ネット環境が脆弱でマルチメディアコンテンツを配信できないと批判された。90年代、インターネットの普及で再び話題となったときには、eラーニングと名前を変えていた。

 内実は変わっていないのに、なぜデジタル教科書という言葉がもてはやされるのだろうか。皮肉なとらえ方をすれば、eラーニングという言葉に人々が飽きてしまい新奇性が失われているからではないか。

 ICT利用・活用教育のなかで、ちゃんと定義して議論を限定しないと、教育現場が抱える様々な問題を、デジタル教科書のせいにしたり、逆にデジタル教科書によって何もかもがうまくいくという幻想を振りまき続けたりすることになる。それでは、いつか、流行語とともに成果も忘れられることになる。』
※朝日新聞『asahi.com』11/10付より転載しています。文字装飾は育星舎個別アルファ北野による。URLはhttp://www.asahi.com/digital/mediareport/TKY201011080075.html

                                 ***

紙を偏愛するような人間(→私)にとって、
子どもたちが一様に電子ディスプレイを操作する情景は
やはり気持ちの良いものではありません。


告白しますと、
スマートフォンや電子辞書の類の狭~い画面に見入ることにすら
まだまだ違和感を感じている私ですので、


生活環境における
これからのだらしなく長~い、そしてジェットコースターのように急速なチェンジを想像しますと、
思わず遠くを見入ってしまう訳ですが、


この認識はオールドウェーヴだ
と自分に強く言い聞かせています。


さらに身も蓋もない告白をしますと、
今の授業におけるウォントリストの筆頭は
電子黒板と授業用に使うiPadです。


どないやねん!?という突っ込みが聞こえてきそうですが、
だってほしいんだもん、というのが偽らざる心情。


社会とか理科なんて
これらがあるとアッと驚く授業ができそうですよね!
ま、飛び技ではありますが、それでも面白いはず。
まずやってる自分が楽しそう(って、これじゃ本末転倒?いえいえ大事な要素です)。


なくても面白い/身につく授業を展開してきた先人の努力を学びつつ、
今日を生きる我々はまた違う地平を歩かねばなりません。ね?


ともあれ大切な話題です。
ますます追いかけていきます。
それでは次回まで。
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